出版社 | CMCリサーチ |
出版年月 | 2025年5月 |
Next-Generation Cell Culture

本書の特徴
- 腸管・膵臓・肝細胞・呼吸器・脳・皮膚などの各オルガノイドの特徴と動向を分析!
- MPSの特徴と課題、各国の動向、MPS大型プロジェクト、MPS製品の特徴を調査!
- 凍結保護剤の課題、既存製品の問題点、低分子系保護剤の普及の背景などを探った!
- CO2インキュベーターの使用用途、制御方式の種類と長所・短所、業界分析を調査!
- 組織・臓器用におけるバイオリアクターの種類と動向、注目される技術、企業動向!
- 閉鎖系・開放系自動培養装置の特徴!装置導入の有効ポイント、企業動向を探った!
- 培養肉の生産工程における課題、各国の動向、及び、細胞培養の製品・技術を分析!
刊行にあたって
動物実験廃止の流れから「3次元細胞培養」に注目が集まる。その3次元細胞培養技術が進展することにより、細胞をin vitroで扱いながらin vivo環境を反映した結果が得られることが利点である。
「マイクロキャリア」は、培養液の中でその表面に細胞を接着させ、3次元的に培養するために使用する素材として使用される。これにより、従来のシャーレ等の2次元的な培養と比較して、作業プロセスの削減やプロセス削減に伴う作業者数の削減、設置スペースの狭小化が可能となり、効率的に大量な細胞の培養を可能にしている。
「バイオリアクター」は、古くから活用されてきたが、再生医療や培養肉といった近年のメガトレンドとも深く関連しており、組織・臓器分野に注目度が飛躍的に高まっている。細胞を効率よく大量培養して研究に使用したり、移植に使用したりするためのバイオリアクターが多くのメーカーから販売されている
創薬では、前臨床試験で医薬品の正確な毒性を予想する必要があるが、動物実験や生理学性の低いin vitroアッセイ系では正確性が担保できておらず、臨床試験で初めて不具合が明らかになるケースが多い。それゆえに、「Microphysiological Systems(MPS)」は動物よりも容積が小さいため、低コストで実験を実施でき注目される。また、動物実験による前臨床試験を、ヒト細胞を用いたMPSに代替できれば、動物を飼育するスペースやコストがなくなり、動物倫理の問題もクリアできる。
「オルガノイド」は、幹細胞によって体外で三次元的に培養された組織である。特定の臓器や組織の機能を模倣した細胞塊のことでもある。腸オルガノイド、脳オルガノイド、肝オルガノイドなどがある。用途としては、疾患モデルの作成、薬剤スクリーニング、再生医療の研究、さらには個別化医療の発展に寄与する。オルガノイドは、従来の動物モデルに代わる新たな研究ツールとして注目されている。
「培養肉」の目的は、既存の牛肉や豚肉、鶏肉などに変わる新たな代替肉としての利用である。培養肉の生産工程は、(1)細胞採取、(2)細胞培養、(3)培養肉化の3つの工程に分かれる。なかでも。細胞培養における培養液の開発、量産方法が盛んである。2次元から3次元になることにより培養可能部分が増え大量生産が可能となった。
本レポートでは、次世代の細胞培養技術として、キーテクノロジーの動向、及び、業界を分析した。今後の展開を見据えたうえでの次世代ビジネスにつながるレポートになっている。